【2024.10月】空き家問題に悩む市町村と宮城県司法書士会が連携協定(坪田忠宏会員)

『あっ!司法書士に聞いてみよう!』は宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時からエフエムたいはく(78.9MHz/仙台市)で放送している30分のラジオトーク番組です。

このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトーク(一部)を要約してご紹介しています。

2024年月10月24日㈭は、宮城県司法書士会 常任理事の坪田忠宏(つぼた ただひろ)さんが、「市町村との連携協定について」というテーマでお話してくださいました。

※過去の「空き家対策」についての放送は「こちら」をご覧ください。


 前半のお話  空き家問題と相続の義務化は表裏の関係

ー 今日は「市町村との連携協定」というテーマですが具体的にはどういった内容になりますか?

坪田 自治体では空き家の問題が今、大きな課題になっています。各市町村ではそういったことを解決したいと悩んでいるわけですけれども、その一方で今年の4月から国の法律が変わりまして、相続登記が義務化されました。

これは空き家問題と表裏の関係にありますので、そのために宮城県司法書士会と市町村が今後、連携協力をしていこうという形の中で協定を結んでいます。

ー 今は協定を結んでいる最中なのですか?

坪田 はい、本年の4月から始まりまして、最初が白石市さん、次が蔵王町さん、そして先月9月には仙台市と協定を締結いたしました。

ー それによってどんないいことがありますか?

坪田 やはりですね、空き家問題について考えたときに、全国の調査では55%ぐらいが相続登記が行われていないために空き家になり、たとえばゴミ屋敷になるなどということがわかっておりまして、地域の皆さんがそういったことを解決したいと非常に悩まれておりますので、各自治体と司法書士がお互いに手を結んで地域のために解決していきたいという形で提携をさせていただいております。

ー 空き家の半分は相続登記がされていないのですね?

坪田 そうですね。皆さんのお近くでもきっと、草ぼうぼうで「ここのお家、どうなったんだろうね?」というお宅があるかと思いますが、そういった場合はだいたい亡くなった方の息子さん娘さんが遠隔地にいてお世話ができないとか、あるいは相続人の間でお話し合いがなされないためにそのままになっていることが相当数あるという結果が出ています。

ー 地域や市町村が望んでいることは?

坪田 はい、まさにそれが登記の問題なら、登記が終わって新しい所有者が決まり、例えばその家の手入れをしていただいて草を刈っていただくとか。あるいは、もしご自分たちがお要りようでなかったとしても、相続登記があれば、それは何らかの売買とか他の方に譲ることができますけれども、相続登記をしない限り、ずっとその土地建物は名義変更ができないので、売買も処分もできないという形になります。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは04:20前後からです。)

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※番組の概要や最新の放送につきましてはトップページをご覧ください。


リクエストコーナー


 後半のお話  仙台市の職員だった当時も空き家問題で苦労しました

宮城県司法書士会の坪田忠宏さん(左)と番組パーソナリティの笹崎久美子

ー 曲の間に伺ったのですが市の職員だったそうですね

坪田 はい、はい。仙台市役所に勤めておりまして、区役所等にも勤務しましたので、だいぶ空き家問題なんかには当時苦労しました。

ー ではこういった協定を結ぶというのはとっても喜ばしいことですよね

坪田 はい。やはりいろいろな形の中で自分も司法書士になって、市町村が悩んでいる空き家の問題、そこから発生するごみ屋敷の問題等を解決するために、司法書士は何かができるんじゃないかと考えたのが、協定を結ぶような話が持ち上がったきっかけでした。

ー ちなみにどなたがお考えになったのですか?

坪田 それはやはり私どもの森田会長でございますけれども、私たちが一生懸命いろんな形で意見を上げて「じゃあ、やろう」と言っていただきました。

ー 司法書士の皆さんがやりたいと思っても協定までにはいろいろ下準備がありそうですが?

坪田 それで、私も仙台市におりましたので、面識のある方々に司法書士の名刺を持って、実はこのような形で空き家問題、相続登記の問題に関して、何か勉強して次の一手を打ちませんか?とお話をしたところ、快く受けていただいてですね、それで協定を結ぶ話がトントンと進んだわけです。

ー 協定を結ぶのと結ばないのではどういう違いがあるのですか?

坪田 仙台市の場合は独自に空き家調査をしたり区役所での相談会などもあるのですが、仙台以外の地域はそういった動きもあまりなかったので、やはり協定を結ぶことでいろいろな事業がお互いに協力関係でできるようになります。

例えばセミナーや相談会の会場を市長村さんに提供してもらい、私たちは教材を作って講師を派遣して、お互いに協力しながら地域の皆さんのために有意義なセミナー、講義、勉強会、相談会などをやっていきます。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は14:37から。このお話の続きは18:15前後からです。 )

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本日の坪田忠宏さんのリクエスト曲

本日の坪田忠宏さんのリクエスト曲は エンヤ『シェパード・ムーン』でした。

坪田さんのコメント 「自分が一番つらい時に聴いた曲がこの曲で、何か心が洗われるような曲ですので、相当昔から好きな曲です。」


パーソナリティから 〜司法書士が少ない地域での活動に手ごたえあり~

坪田さんのお話では、宮城県司法書士会が各市町村と協定を結ぶことにより、相続人探しのお手伝いだけでなく、市町村の職員さんへの研修や、市町村と共催で相続登記に関する市民セミナーを開催するなど、多くの方に相続登記の重要性を知っていただくことで、空き家問題の解消に貢献したいとのこと。

この放送収録日の前々日に白石市で行われたセミナーは、地区の公民館を会場に少人数で膝を突き合わせて様々なご相談に応じるスタイルでしたが、それは相続登記や空き家の問題はきめ細かにお願いしたいというご要望を受けてのことだそうです。

結果的に参加者のおひとりから「早速相続登記をしたい」というご依頼をいただいたというお話でしたが、司法書士が多く市でも独自に調査やセミナー等を開催している仙台市よりも、司法書士が少ない地域での活動に効果と手ごたえを感じていらっしゃるようでした。

*記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子(ワッツ・ビジョン


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