【2023.04月】司法書士が行う債務整理の手順について（稲辺博幸会員）
『あっ！司法書士に聞いてみよう！』は宮城県司法書士会が毎月第４木曜日の14時からエフエムたいはく（78.9MHz／仙台市）で放送している30分のラジオトーク番組です。
このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトーク（一部）を要約してご紹介しています。
2023年月4月27日㈭は、宮城県司法書士会から司法書士の稲辺博幸（いなべひろゆき）さんをお迎えして『債務整理』についてお話をしていただきました。
前半のお話 お客様に代わりカードや会社やローン会社と私たちが交渉します
ー 今日のテーマは債務整理ということですが？
稲辺 そうですね、司法書士と言うと登記、相続といった仕事が多いのですが、債務整理と言うのは借金で困っている人を助けるという性格のものです。こういう時代なので知らずに借り入れが増えているという人も多く、若い人から年配の方まで色々な方がご相談に見えますし、終了した時に「人の役に立ったかな」というイメージで取り組んでいます。
ー とても感謝されると思います。
稲辺 ただ、これは全般に言えるのですが、ご本人が本気にならないと解決できないです。債務整理は弁護士さんもやっていますが、どうしても債務整理を依頼するとあとは「お任せ」という感じなってしまう方がいらっしゃって、中には借り入れをつくってしまった要因のひとつとして「人任せ」の部分を感じることもありますので、その場合は最初の時に、この問題を片づけるには真剣に取り組まないとだめですよ、というお話をさせていただくことが多いです。
ー そうすることで皆さんが真剣に取り組んでくださるのですね。
稲辺 困って来られる方が多く、程度の軽い方でもカード会社の督促状を持って来られますし、進んでいる方だと裁判所の呼出状を持って来られる方が多いので「何でもやります」と言ってくださいます。
ー 実際に司法書士の皆さんは債務整理をどういった手順で進めるのですか？
稲辺 はい。債務整理と言うのはお金を貸してくれたカード会社やローン会社と交渉することが主体です。最初に依頼に来る方は返済がほぼできなくなっているから来られるわけです。ですので最初に来ていただいた段階でどれぐらい借り入れがあるのかお聞きして、その債権者に「私が債務整理に入ります。ついては今後はお客様に直接連絡をしないでください。交渉は代わりにこちらで引き受けます」という通知を送ります。（以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは04:20前後からです。）
※音源はApple、Spotify、Amazon等の各Podcastでも配信しています。
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リクエストコーナー
後半のお話 債務整理に来られる方はまじめで責任感の強い人が多いです
司法書士の稲辺博幸さん（左）とパーソナリティの笹崎久美子
ー 債務整理に来られる方はまじめな方が多いそうですが？
稲辺 借り入れが増えた方というと、皆さんは「ルーズなのでは？」と思われる方も多いかもしれませんが、逆にまじめで責任感の強い人が多いです。
ー そうなんですか。
稲辺 それは、返さなくてはいけないと思って、他から借りてまた返す、ということを繰り返してしまうんです。いい加減な人であればそこでもう開き直ってしまうので・・・（一例として）よく反社会勢力には貸せないと言いますが、彼らは開き直ってしまうんです。そうすると返さないので多重債務にはなり得ないということになります。
ー では大雑把な方のほうが借金が膨らまないのでしょうか？
稲辺 来られる方は皆まじめですし、お勤め先も（意外かもしれませんが）固いところが多いです。人間的にもしっかりしていらっしゃる方が多いのですが、人生は生きていると病気があったり色々なことがあったりするので、お金のことは仕方がないときもあります。それは人生の一側面にしか過ぎません。
ー コロナの影響もありましたか？
稲辺 ありますね、若い人の場合は飲食店のアルバイト等で生活を支えていた方で、そういったアルバイトが一斉になくなってしまうと、片方の仕事だけでは食べていけなかったり、飲食業自体が無くなってしまうと収入が途絶えますよね。そういった方はお気の毒に見えました。
ー 本当にそうですね。ではここからは個人再生と破産についても伺ってよいですか？
稲辺 はい。まず個人再生と言うのは債権の総額を5分の１まで裁判所の力を借りて減らすことです。その場合ポイントになるのは、その方が返していける見込みがあるかどうかということなんです。（以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は12:35から。このお話の続きは14:10前後からです。 ）
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本日の稲辺博幸さんのリクエスト曲
本日の稲辺博幸さんのリクエスト曲は ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団
の演奏による『メヌエット（ビゼー、アルルの女より）』でした。
稲辺博幸さんのコメント 「穏やかな曲ですし、本日のお話のようにこの仕事は穏やか気持ちだけではできないときもあるので、心を落ち着けるにはいいのではないでしょうか。」
（記事作成 番組パーソナリティ／笹崎久美子）
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