【2024.8月】会社の登記について~変更登記を怠ると怖い文書が届きます~(門田修会員)

『あっ!司法書士に聞いてみよう!』は宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時からエフエムたいはく(78.9MHz/仙台市)で放送している30分のラジオトーク番組です。

このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトーク(一部)を要約してご紹介しています。

2024年月8月22日㈭は、宮城県司法書士会の門田修(かどた おさむ)さんが、「会社の登記について」というテーマでお話してくださいました。

※過去の「会社の登記」についての放送は「こちら」をご覧ください。


 前半のお話  会社設立は法務局に登記の申請を出すのがゴール

ー まず基本的なところですが、会社の登記とはどういったものなのでしょうか?

門田 は一般の方はあまり身近なものではないと思いますが、皆さんが生活をしておりますと、あちらこちらに「何とか株式会社」とか「何とか有限会社」などの看板があったり、そういった会社から商品を買うこともよくあると思います。

人間であればからだがあって目に見えるわけですが、たとえばこのエフエムたいはく株式会社様はラジオ局を運営されているわけですが、実際にその姿があるかというと、見えないわけですよね。

そこで、法律によってエフエムたいはくという会社に(人間でいえば人格のように)法人格というものを与えて、そこで登記をすることによって初めて会社としての効力を発揮するというものです。

個人事業主ということでのご商売でもいいのですが、現在のように取引の距離が世界的に広がっている中でご商売をするということになると、人もたくさん必要ですし、お金もたくさん集めなくてはなりません。

そういった中では、法人格を持った会社という形態でご商売をなさることが必要になるのかなと思います。

ー これから会社をつくりたい方のために進め方をごお聞きしてもいいですか?

門田 会社の作り方ということですか?(はい)

ゴールとしては法務局に登記の申請を出す、というところなんですけれども、その準備として、一番有名な(笑)株式会社を例にとって、一応司法書士に相談する体で述べます。

会社の名前をどうしたいとか、事業目的・・・こんなことをやりたいとか、(個人事業主でやっている方はすでにそれがあると思うんですけど)そういった事業内容を司法書士に持ってきていただいて、司法書士とやりとりしていく中で、会社をつくる上で必要な事項を整理して書類をつくります。

そして株主や役員の方からハンコやご署名をいただいて公証人のところに持って行って証明文をもらうんですね。

それをつけて定款を認証してもらって、それから資本金も必要ですのでお金も銀行に振り込んで、あとは法務局に持ち込むということになりますね。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは05:40前後からです。)

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リクエストコーナー


 後半のお話  変更登記を怠ると裁判所から怖い文書(科料決定通知書)が不意打ちで届きます

宮城県司法書士会の門田修(かどたおさむ)さん(左)と番組パーソナリティの笹崎久美子

ー 会社の登記には罰金もあると伺いましたが?

門田 はい、会社の登記をされている場合、その会社の登記されいている事項に変更があった場合は2週間以内に登記をしないと「100万円以下の科料に処す」となっています。法律の用語で科料(かりょう)、いわゆる罰金です。

ただいきなり2週間過ぎたらすぐに罰金(の通知)が来るかというとそうではありません。

これは運用が法務局とか裁判所のほうで判断されていることなので、私どもに正確なデータがあるわけではないのですが、現状のことを申し上げますと、半年ぐらい登記が遅れていると2万円ぐらいの科料が来るということは聞いていました。

あとは10年ぐらい経過した会社さんで10万円ぐらいの科料が来たというのも聞いたことがありますし、8万円までの科料通知は私も実際に見たことがあります。

ー 変更があったのに登記がされていないということはどうしてわかるのですか?

門田 登記の情報はもちろん法務局のほうで管理されているわけですが、今は取締役の任期が最大10年なんですね。

有限会社の場合は任期がありませんが、株式会社の場合は任期が最長10年なので、10年を経過したものから法務局のほうで何かの調査をしていると思われます。

ランダムなのか全部なのかはわかりませんが、法務局のほうでデータを管理して通知を出しているようです。その判断として、
もう何年から登記がされていないので裁判所から科料の決定が来るということになります。

ー 予告はないのですか?

門田 ええ、予告は一切ないんです。不意打ちですね。

郵便も茶封筒で宛名が会社名で代表取締役個人の住所、つまり通知がおうちに来ます。で、封を開けるとタイトルが「科料決定」。そして「主文」と書いてあります。「何万円に処す」と記載されているんです。(怖いですね)理由も書かれています。 (以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は13:35から。このお話の続きは16:35前後からです。 )

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本日の門田修さんのリクエスト曲

本日の門田修さんのリクエスト曲は MISA『主つつみ込むように』でした。

門田さんのコメント 「今はインターネットとか郵便で大丈夫なんですが、私が20数年前にこの業界に事務員で勤め始めたときは、当事者出頭主義と言って、法務局への申請は必ず窓口に直接行かなければいけなかったんです。

なので当時の補助者の仕事というのは、法務局に書類を出しに行くこと、そして登記が終わった書類を回収しに行くことがメインでした。

その際、法務局には車で移動するのですが、先輩がその車にMISAさんの『つつみ込むように』のCDを置いていたので、自分もそれをヘビーローテーションで聞いていました。若かりし頃の補助者時代の思い出の曲です。」


パーソナリティから 〜科料決定通知書を画像検索してみると・・・~

科料決定通知書を画像検索してみたら、本当に怖い印象を受ける文書でした。番組の中では触れられていませんでしたが、冒頭に「会社法違反事件」という文字もあり、これが突然届いたら、誰でも驚き不安になると思います。

門田さんのお話では、先代から会社を引き継いだため、ご自身では登記のご経験がなく、詳しくご存じではなかった方にいきなり科料決定通知書が届き「これは何だ?」と大変お怒りになった例もあるとか。

そのケースでは、税理士や門田さんの説明でご納得いただいたそうですが、こういったことは確かに専門家のサポートがないと、なかなかわからないことかもしれません。

ちなみに、変更登記で科料通知が来るのは、役員変更や住所変更に関するものが大半とのことですが、門田さんによれば「直接経営に関わるものではないので忘れがち」だそうです。皆さん、気を付けてくださいね。

 

*記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子(ワッツ・ビジョン


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