休眠会社の整理について(飯川洋一会員)
エフエムたいはく(78.9MHz/仙台市)で宮城県司法書士会が放送したラジオ番組のご紹介です。2021年9月23日㈭は、宮城県司法書士会 理事で番組初登場の飯川洋一(いいかわよういち)さんに「休眠会社の整理について」というテーマで話を伺いました。放送は毎月第4木曜日の14時からオンエア中です。以下に前半と後半のお話の一部を要約して少しだけご紹介します。
前半のお話 休眠会社の整理は登記制度の信頼性と犯罪防止のため
ー 今日のテーマは?
飯川 休眠会社を整理する作業を国のほうで行っていますので、このことについてお話させていただきます。
休眠会社の整理というと、一般的には長い間企業活動をしていないような会社を片付けてしまうような意味に捉えられるかもしれませんが、これは法律に従い一定の手続きを踏んで国によって行われるものです。
ー 休眠会社の整理というと、整理したい人が自分でするイメージがあったのですが違うんですね。
飯川 そうですね。世の中にはたくさんの会社があって、ほとんどの会社がきちんと活動をなさって、年に一度の税務申告や必要な登記などもされていると思うんですが、やはり中には事業がうまくいかなかったりして、税務申告をしないでしまうとか。
あるいは会社には役員がいまして任期があるんですけれども、その任期が来ても改選の手続きをされない会社というのが散見されるようになってくるんですね。
ー そうなんですか。
飯川 人であれば誕生して戸籍に載せて、最後も戸籍に届け出をして「お亡くなりになった」ということになります。会社の場合も法務局に手続きをすることによって会社が生まれて、もう会社として事業はやりません、となったときには清算をして会社をしまう手続きがあるので、やはり法務局には届ける必要があります。ですが事業がうまくいかなくなってしまい、それを放っておいてしまう方がいるんですね。
ー もうそのまま何もしない感じなんですね。
飯川 はい、ただ会社の登記だけが残っている状態です。そうすると国のほうはですね、もう活動をしていないような会社がいつまでも残っているのは、人でいえば亡くなったのに死亡届けが出されないで残っているのと同じで、登記制度自体の信用を損ねかねません。あるいは空っぽの会社の名前を使って犯罪に使われる可能性もあります。そういったことで休眠会社の整理作業が行われるわけです。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは5:30ぐらいから )
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後半のお話 過料は裁判所が決めるので事前にはわからないんです
ー 前半は通知が来たというところで終わりましたがその後はどうなりますか?
飯川 通知が届けば、やはり会社さんはびっくりしますので「あ、そうか。役員の改選手続き忘れていた」とか、そういう対応する方もいれば、あるいは意外と無頓着で「何か郵便が来てたな」という風に放っておかれる方もいるんですね。役所からの通知って読む気がしないですよね。広告などと違って目を引くようなことも書いていませんので。
ー 読む気がしないのはわかる気がします(笑)
飯川 なので普通のDMのように扱われて放っておかれる方もいるんですけど、大概は手続きしましょうということになって、役員改選の手続きをされるとか、そういった対応をされる方がほとんどです。
官報に載っている公告とか、その法務局から届く通知にも書いているんですけれど、2か月い以内に登記、もうしくはまだ事業廃止していない旨の届け出をすればいいということになっているんですね。
(中略)
飯川 こういったことは一応法律違反ということで、罰金ではないのですが、過料というものを科せられます。われわれの感覚ですと、例えば「役員の改選手続きを1年間遅れた」とか「2年遅れた」なんていうときには、「過料の制裁みたいなものを受けるかもしれませんね」ということなんです。法律では上限が100万円となっています。
ー 100万円ですか?そういった方もいらっしゃるのですか?
飯川 いや・・・1年2年ぐらい遅れて過料を受けたという方たまにお聞きしますが正確ではありません。これは裁判所が決めるもので。(※実際にはかなりばらつきがあるようです)
ー 交通違反の罰金のように○○したら何千円というものではないんですね?
飯川 そこはわからないですね。ブラックボックスなんですね。私だけが知らないのかもしれませんが、同じような期間だけ遅れて手続きした方で、来る会社さんもあったり(会社に来るのではなく会社の代表の方のご自宅に来るんですが)来たり来なかったりというようなケースも見られるんですね。(この続きは再生プレイヤーでお聴きください。※後半は12:50前後からです。)
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本日の飯川洋一さんのリクエスト曲
飯川洋一さんのリクエスト曲はナタリー・コール& ナット・キング・コール デュオの『アンフォゲッタブル』でした。
飯川さんのコメント 「今日持参したこのアルバムは1991年、平成3年にリリースされたもので、ナット・キング・コールの娘さんであるナタリー・コールがもう亡くなっているお父さんの歌に、デュエットでかぶせてリリースしたもので、当時は大変ラジオから聞こえていた懐かしい曲でもあります。」
(パーソナリティ 笹崎久美子)
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