【2025.8月】宮城県司法書士会 新会長のごあいさつ(茂木宏友会長)

『あっ!司法書士に聞いてみよう!』は宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時からエフエムたいはく(78.9MHz/仙台市)で放送している30分のラジオトーク番組です。

このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトークの一部(要約)と概要をご紹介しています。

2025年月7月28日㈭は、新たに宮城県司法書士会の会長に選任された茂木宏友(もぎ ひろとも)さんに新会長としての抱負や会の運営などについてお話を伺いました。

※会長・新会長の過去記事はこちらをご覧ください。


 前半  今やっている業務をブラッシュアップしていきたい

ー ご就任おめでとうございます。皆さんにメッセージをお願いいたします

 茂木 はい。司法書士会という組織は日本全国各都道府県にそれぞれ存在するんですけれど、宮城県司法書士会は、仙台以外の他の市町村の会員も含め、宮城県内の司法書士が(義務として)強制的に入会して司法書士の業務を行う団体でございます。

広報下手と言いますか、知名度もなかなかなくてですね、他士業の方達に間違えられたりすることもあるんですけれども、弁護士や税理士など、そういった国家資格の団体と同じような役割を持っています。

会としては事業を行うというよりも、どちらかといえば会員のためにサポートする立ち位置が多いです。近年は広報に力を入れていこうということで、ラジオ出演だったりホームページであったり、市民センター(でのセミナー等)であったり、そういったところも徐々に力を入れていますが、メインはやはり会員向けの研修や市民向けの相談会が多くの比重を占めていると思います。

ー 今までは何か裏方的な立ち位置だったそうですが?

 茂木 そうですね、会長になる前の10年間は、会社でいえば総務部みたいな部門で、会員の登録業務であったり様々な会議の設営であったり、そういったところに従事してきたので、表舞台に立つことは少なかったです。その前に一度、広報担当の役職をやっていたときに(記憶がすごく薄れていますが)ラジオに出演した記憶はあります。

ー 会長として今後はどのように会を進めていきたいですか?

 茂木 新しいことをやるのは実はそれほど重要視をしていなくですね、今現在やっている事業をブラッシュアップしていくような形で、組織をさらに進化させるようなことを考えています。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは04:20前後からです。)

※音源はAppleSpotifyAmazon等の各Podcastでも配信しています。 w62_Spotify-Podcast w62_Amazon-Podcast
※番組の概要や最新の放送につきましてはトップページをご覧ください。


リクエストコーナー


 後半  法改正で司法書士の役割が重要になってきたことを実感

茂木宏友新会長(左)と番組パーソナリティの笹崎久美子

ー 前半に震災の話が出ましたが、相続登記の義務化とも関連があるそうですね

 茂木 はい、よく報道されているところですが、東日本大震災で沿岸部の地域、特に女川とか南三陸とかあの辺りの海に面したエリアから高台に移転する事業において、山を切り崩して宅地造成をしていく過程で(山にも権利はございますので)権利を調べていると、明治時代のおじいちゃん、ひいおじいちゃんのままの名義であったり、そういうことがたくさんありました。

相続人の調査をすると相続人が非常に多くて、それで復興事業が円滑に進まないという経験をしたわけです。そこで土地の所有者がどこにいるかわからないということを防止しないといけないということになりました。

これもよく言われていることですが、現在、所在不明者の名義になっている土地が九州の広さほどある、ということが法改正の前段で言われております。そういう状況になってくると国土の利用にも影響が出てきますので色々な方策がされて、そのひとつが我々が深く関わっている「相続登記の義務化」です。

それを促進することによって、所有者が不明になっている土地の情報が当然バージョンアップされていきます。ですが、(所有者の名義はわかっていても)住所が古すぎてそこに手紙を送っても全く届かないなどその点にも問題があるので、来年の4月からは住所等の変更登記も義務化されます。

司法書士会の役員として震災直後ぐらいにたまたま法務局の担当者の方とお話をする機会があったときに、(当時から)その方も「こういうことは義務化すべきではないか」という見解を持っていらっしゃって、ただ民法を変える抜本的な制度設計になるので法務局の局長さんも「それは無理だろう」とおっしゃっていました。

今年、それが最終的に法改正につながり、その流れをここ10数年見てきたと同時に、その付託を受ける我々司法書士の役割も重要になってきていることを実感しています。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は14:26から。このお話の続きは18:30前後からです。 )

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本日の茂木さんのリクエスト曲は「夜空に咲いた花」

本日の茂木宏友さんのリクエスト曲は 坂本サトル の『夜空に咲いた花』でした。

茂木さんのコメント 「実は以前、公益社団法人仙台青年会議所という団体に所属しておりまして、この曲が仙台七夕の前夜祭という形で親しまれている「七夕花火祭」のテーマソングでした。私が入会した時期と重なるのですが、確か2003年に楽曲を作っていただいて、そこからずっとこの時期になるとこの曲がかかっていました。

一番の思い出は2011年の東日本大震災の年に七夕花火祭を実施するかしないか、実際の準備は3月ぐらいからするんですけれども(3月に東日本大震災が発生したため)それどころじゃないという状況の中で、当時、私は七夕花火祭を担当する役職だったものですから、理事長や実行委委員長と相談して「被災された方の希望の光になるような花火を上げよう」と実施を決断いたしました。

ただ、実行を決めても実際に上げるまでがものすごく大変で、そういった苦労を経て打ち上げの瞬間にこの曲が流れ、(今も)被災者の方をお招きした桟敷席なんかの写真を見ますと、そういったことを思い出す思い出の曲です。」


パーソナリティから 〜暮らしに寄り添う身近な法律のパートナー~

私がこの番組を担当するようになってから約8年が経ちました。開始当時の会長は車塚潤さんで、その後森田みささんに代わり、今年、新会長に茂木宏友さんが就任されました。

番組の前半(11:21前後)でもお話をしていますが、ゲストとしてお話をしていただく司法書士の皆さんは、どの方もフレンドリーで親しみやすく、パーソナリティをお引き受けする前に抱いていた「硬くて怖い人が多いのでは?」というイメージは完全に覆されました。まさに”暮らしに寄り添う法律のパートナー”であり、”相談しやすい、頼れる法律のプロ”だと思います。

今回のお話では、宮城県司法書士会の活動や相続登記の義務化などを中心にお話を伺いましたが、個人的には今回のリクエスト曲「夜空に咲いた花」にまつわる思い出の話が印象深く、いつか時間があったら今度はそちらについてもじっくり伺ってみたいですね。

あらためて調べてみると、司法書士は「町の身近な法律家」であり「法律のかかりつけ医」と言われることが多いそうですが、不動産登記や相続・遺言・成年後見などの手続きを担うお仕事柄、地域密着性が非常に高い専門職だと思います。それが茂木会長が最後に語った「地域の皆様をサポートする」という言葉によく表れていると感じました。

*記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子(ワッツ・ビジョン


お問い合わせ先

※番組でご紹介した内容/イベントや会社設立・不動産登記・相続・遺言・成年後見などのご相談に関しては宮城県司法書士会ホームページ
022-263-6755までお気軽にお問い合わせください。

AIがまとめた本日の主な放送内容

組織の概要

宮城県司法書士会の新会長(茂木会長)が就任挨拶。会は県内の司法書士が業務を行うために必ず入会する専門職団体で、会員支援(研修・相談事業)と市民向けの相談会を主軸に活動。広報はラジオ、ホームページ、市民センターなどを活用しつつ、予算・人的制約の中で地道に展開。

戦略方針

・現在の事業を新規拡張よりも「改善・強化」する方針
・既存の会員研修、相談事業、広報活動のブラッシュアップを重視
・会員・地域への貢献度を高める運営改善を継続
・法改正対応を最優先テーマに設定
・相続登記の義務化に伴う周知・対応の継続強化
・来年4月施行の住所変更登記の義務化に向けた準備・広報の拡充

相続登記の義務化および政策の最新情報

・相続登記の義務化は所有者不明土地の解消に資する施策として昨年施行
・背景には東日本大震災での復興用地造成で発覚した複雑な権利関係(明治期名義、相続人多数、連絡困難等)
・所有者不明土地が「九州の面積規模」とも言われる問題の是正が狙い
・住所変更登記の義務化(来年4月施行)
・現住所と登記記録の不一致による連絡不能・事務停滞の是正
・相続登記と併せて不動産所有者情報の最新化を推進

関連制度動向

相続土地国庫帰属制度が施行・運用中(不要土地の国への帰属)
原野商法の残滓や地図整合性問題など、現地実態との齟齬が残存
将来的な法改正・制度改善の必要性を認識

相続の課題と考慮事項

相続手続の複雑性
・相続人が多数化し、連絡不能・費用負担の所在不明により手続が停滞
・親族内の「率先者」不在だと前進困難
・土地の実態・権利関係の問題
・市区町村の買収が関わらない山林・原野・農地などは調整が難航
・図面と現地の不一致、旧来の販売問題の影響

費用負担と支援策
・義務化対応で市民負担が発生
・会として費用支援・制度改善に関する提言の可能性を検討

会の広報活動とサービス

広報・周知
・市民向けセミナーを本年度も開催予定(相続・住所変更登記の義務化の説明を中心)
・会ホームページの情報発信強化、ラジオ出演の継続活用
・大規模広告は予算制約により困難、低コストで効果的な手段を選択

相談事業
・無料電話相談、予約制の面談相談を継続運営(全国的にも件数が多い水準)
・電話は高需要・回線制約により繋がりにくいことあり
・電話のみでは書類確認が困難なため、面談の活用を推奨
・相談員は継続的に研修・スキルアップ中

研修とメンバー育成

・会員向けスキルアップ研修を継続
・相続登記・住所変更登記の義務化に関する最新知識の習得
・災害復興事例に基づく権利調査・利害調整のケーススタディ強化
・相談員の実務力強化
・書類確認・面談誘導・適切な助言の品質向上

今後について

・既存事業の継続改善を中核とする運営方針を維持
・相続登記・住所変更登記の義務化に関する広報・市民支援を積極化
・本年度の市民セミナー開催とオンライン情報提供の拡充を実施
・相談事業は面談重視で品質確保、電話対応は案内整備で補完
・費用支援や法改正に関する提言可能性を中長期的に検討

会の課題について

相談集中による電話輻輳
・面談予約の活用促進、必要書類の事前案内整備、時間配分の最適化

所有者不明・連絡不能による手続停滞
・義務化周知で早期対応を促進、国庫帰属制度等の選択肢を案内

認知度不足
・低コスト広報(ラジオ・Web・セミナー)を継続強化

予算・人員制約
・施策の優先順位付け、会員研修による生産性向上