【2022.10月】死後事務委任について(森田みさ会員)

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宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時からエフエムたいはく(78.9MHz/仙台市)で放送しているラジオ番組のご紹介です。この番組は宮城県司法書士会に所属する司法書士の皆さんが月替わりでお話をする30分の番組です。

2022年10月27日㈭は、宮城県司法書士会 会長の森田みさ(もりたみさ)さんが『死後事務』についてお話をしてくださいました。

 前半のお話  お葬式も依頼者の方と二人で相談して事前に手配しておくんです

ー 死後事務というのはどういうことですか?

森田 人が亡くなったあとはやることが色々あると思うんです。法律的なことだけではなくて、亡くなったあとお葬式をしたり火葬をして納骨をしたりとか、ここではそういった諸事を私達は事務といいます。

たとえば一人でアパートに住んでいた人であればそのアパートを解約したり、荷物を片付けたり処分したり色々なことがあると思うんですけど、そういったことを誰にもお願いできないという方もいらっしゃるんですよね。

お子さんがいない、身内がいない、あるいはご親族はいるんですけど縁遠くて迷惑をかけられないとか。そういったことをやってくれそうな人が思いつく限り誰もいないし、頼みたい人が誰もいないという場合はどうすればいいんですか?というご相談が結構寄せられるんです。

そういったことを司法書士(司法書士だけでできるというわけではないのですが)もお受けできますよ、ということなんです。

ー 事務と言うと私たちはすぐにPCに向かってやるようなイメージを持ってしまいますが・・・

森田 そうですね。ここでは通常は残されたご家族が行う仕事全般、つまりやること全般を事務と言います。

ー それを司法書士の皆さんにもお願いできるんですね。でもお葬式などはどうするのですか・・・?

森田 私がお経をあげることはできないんですけど(笑)、それを事前に依頼者の方と相談をして、菩提寺のお寺があるのかどうか?どういう風に葬儀をしたいのか?などを事前に伺って手配をしておくんですよ。二人で一緒にお寺に行って住職さんと相談したりとか、お墓を事前に購入したりとか、生前にできることはあらかじめ打ち合わせをしておくということがほとんどです。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは05:25ぐらいから です。)

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※番組の概要や最新の放送につきましてはトップページをご覧ください。

 後半のお話  死後事務委任は成年後見と異なり亡くなっても効力が続く契約

ー 前半のお話を聞いて死後事務委任というのは成年後見に似ている印象がしたのですが。

森田 高齢になると一人ではなんでもかんでもできなくなってきますので、だいたいはお身内の方に手伝ってもらいながら生きていくということが多いと思うのですが、お子さんがいない方も多いですし、そういうことができないお一人で暮らしている方や、親戚はいらっしゃるんですが「頼りたくない」という方が、このまま自分が認知症になってしまったらどうしよう?とか、急に倒れたらどうしよう?とか、そういったことを心配にされるケースが多くて。

ですがいまお元気なのでそうやって悩まれるわけですよね。

認知症になってしまったらどうすればいいのか?ということに関しては、裁判所で選ばれる後見人のほかに、任意後見といって契約で自分の好きな人を後見人に選んでおく制度があるんです。もしも自分が認知症になって判断能力がなくなってしまったらこの人を後見人にします、という契約をするんです。

それも公証人にお願いをして公正証書で契約をするのですが、それと合わせて、生きているうちは後見人として財産の管理をしてもらったり身の回りのことを手配してもらったり。そして亡くなったあとは死後事務委任のほうで色々やってもらう、というようにセットでお願いされることが多いです。

ー そうなんですか。成年後見と一緒に相談される方が多いのでしょうか?

森田 そうですね。後見人の方に亡くなったあとも色々やってもらえると思っている方もいらっしゃるのですが、亡くなってしまうと代理権が消滅して契約は終わってしまうので、法律上、そういったことはできないんです。死後事務委任というのは特殊な契約で、ご本人(依頼者)が亡くなったあとも効力が続く契約という位置づけなんです。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は13:35から。このお話の続きは17:59ぐらいからです。 )

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本日の森田さんのリクエスト曲

森田みささんのリクエスト曲はSEKAI NO OWARI(セカイノオワリ)の『Hey Ho』(ヘイホー)でした。
森田さんのコメント 「セカイノオワリは曲もいいんですけど歌詞がすごく好きで。セカイノオワリは動物の動物の殺処分をゼロにしようという運動をしていて、この曲はそのテーマ曲としてつくられた曲なのですが、ボランティアや社会貢献は義務じゃなくて権利なんだよ、ということを歌っている歌です。
みんなを笑顔をするために自分のためにやるんだということを言っていて、悲しいニュースを聞いて今は何とも思わなくても、そのうち動き出せるときが来るよ、という歌なんです。司法書士も社会貢献をしていかなくてはいけないというお話をするときに、この歌を聞いてもらったり、よくご紹介をしています。」

スタジオの外で

森田さんはほかの司法書士の方達と共著で「新しい死後事務の捉え方と実践」という本を出されたそうです。お願いして打ち合わせの時に見せていただきました。

(パーソナリティ 笹崎久美子)

お問い合わせ先

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