【2023.02月】相続人のいない方が亡くなったあとの財産管理人について(及川繁会員)

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宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時からエフエムたいはく(78.9MHz/仙台市)で放送しているラジオ番組のご紹介です。この番組は宮城県司法書士会に所属する司法書士の皆さんが月に一度お話をする30分の番組です。

2023年月2月23日㈭は、宮城県司法書士会で未成年後見財産管理委員会の委員長を務める、司法書士の及川繁さん(おいかわしげる)さんが『相続人のいない方が亡くなったあとの財産管理』についてお話をしてくださいました。(相続人がいない方の死後事務についてはこちをご覧ください)

 前半のお話  相続人がいない方の死後の財産管理は誰が行うの?

ー 本日のテーマは?

及川 はい、亡くなったあとの財産管理についてです。財産管理と言いますと、広い意味では成年後見だったり未成年後見だったり民事信託などもあるのですが、今日はその中の一部である相続財産管理人、不在者財産管理人、そして今年(2023)の4月から財産管理の一部が民法改正になりますので、新しい財産管理についてのお話をしてみたいと思います。

ー そういった管理人の制度があるということなんですね。

及川 はい、そうなんです。財産管理と言ってもいろいろな種類がありまして、相続財産管理人というのは、相続人がだれもいらっしゃらない方がなくなられたあとに財産を管理するのが相続財産管理人です。不在者財産管理人は本人がご存命ではあるのですが、その場にいない、お住まいのところにいない方の財産を管理するのが制度の主旨です。

ー 相続財産管理人というのは生前に契約をしておくものなのですか?

及川 相続財産管理人は相続人が誰もいないときに専任されるものです。具体亭的には、戸籍上相続人が誰もいないということもありますし、相続人はいらっしゃるのですが全員争族放棄をしてしまうということで結果的に相続人がいないということもあります。これは生前の契約ではなくて、まさにそういった状況になったときに利害関係のある方が裁判所に申し立てをして裁判所が選任をするという制度です。

ー 利害関係のある方が申し立てる、というと例えば大家さんとか?

及川 ええ、大家さんももちろん考えられます。(亡くなった方に)おうちをお貸ししていた方は、契約を最終的に終了(解除)しなければなりませんけれども、相続人が誰もいないとなると契約を解除する方がいないですし、お住いの中に故人の荷物が残っていたり、そういったものの処理を行う必要があります。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは04:14ぐらいから です。)

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 後半のお話  4月から管理人の名称が変わり、新しい管理人制度もスタート

及川繁さん(左)と笹崎久美子

ー 財産管理に関して法律が変わるそうですが?

及川 財産管理の制度の部分に関して民法の改正がありまして、これまでの相続財産管理人、不在者財産管理人に加えて、新しい財産管理人の制度がスタートします。令和5年4月からですからもうすぐです。

ー どんな風に変わるのですか?

及川 これまでは相続財産管理人という名称だったものが相続財産清算人という名称に変わります。細かい変更点はあるのですが、基本的には相続人が誰もおらず最終的に清算をして国庫に納めるというところでその名称になります。

ー そのほうがよりお仕事に近い名前になるということですね。

及川 は実際にそうですね、活動内容に即した名称になるのかな、と思います。それと相続財産管理人というのも引き続きあるのですが、こちらは遺産分割がまだされていない段階で相続財産の保存が必要な場合に選任されるという新しい制度になります。い、そうなんです(笑)

ー 遺産分割がされていない場合・・・?

及川 というのは相続人がいらっしゃってお話をまだしている最中(お話が長引くケースがあるんです)その中で建物の保存行為が必要だとか、そういったことがこれまでも実際にあったので、そこを裁判所の選任する管理人が対応するという制度です。

ー その段階で何かの関与が必要な場合があるのですね?

及川 そうですね、これから始まる制度でありますので、おそらくそういった場面での活用が想定されているという状況です。

ー それともうひとつ新しい管理人の制度ができるそうですが。

及川 そはい、それは所有者不明土地管理人、所有者不明建物管理人、そして管理不全土地管理人、管理不全建物管理人という制度が発足します。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は13:48から。このお話の続きは16:43ぐらいからです。 )

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宮城県司法書士会から「女性のための女性司法書士による無料相談会」のお知らせ

宮城県司法書士会では2023年(令和5年)3月6日(月)から3月11日(土)まで「女性のための女性司法書士による無料相談会」を開催します。期間中は宮城県司法書士会の女性司法書士が、女性からのお悩みをじっくりお聞きします。

どこに相談にいけばいいか分からない、法律家の事務所には行きにくい、男性には話しにくい、女性なら分かってくれそう、そんな方は1人で悩まずに、まずはお気軽にご相談ください。

※面談は予約制です。予約や詳細等はチラシをご覧ください。(チラシのPDFはこちらです)
※お問い合わせは 宮城県司法書士会事務局 ☎022-263-6755 へ。

本日の及川さんのリクエスト曲

及川繁さんのリクエスト曲は 吉幾三 の『遠くへ行きたい』でした。
※吉幾三さんの『遠くへ行きたい』はサイトへの埋め込み動画が許可されておりませんのでこちらのYouTubeでお聞きください。

及川さんのコメント 「いろいろなご縁がありまして仕事で出張をすることがあります。出張ですのでただ行き先に行って戻ってくるのが常ですが、その中でもいろんな町に訪れて町の雰囲気…大きな町は大きな町の雰囲気がありますし、小さな町は小さな町の雰囲気があります。あとはその地方地方ですね、宮城県でも場所によって雰囲気が違いますし、県をまたいで、あるいは関東、関西、北海道…やっぱり違う雰囲気があるということで、できれば遠くへ行ってみたいな、という気持ちを込めてリクエストをします。」

(記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子)

お問い合わせ先

※番組でご紹介した内容/イベントや身近な暮らしの法律のご相談に関しては宮城県司法書士会ホームページ
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