【2026.1月】司法書士の仕事について~他の士業との関わりも解説~(志賀昌浩会員)

エフエムたいはく『あっ!司法書士に聞いてみよう!』は宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時から仙台市のコミュニティFM局で放送している30分のラジオトーク番組です。(78.9MHz)

このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトークの一部(要約)と概要をご紹介しています。

2026年月1月22日㈭は、宮城県司法書士会 企画広報委員の 志賀昌浩(しが まさひろ)さんに司法書士の業務全般についてお話をしていただきました。

※これまでの「司法書士の仕事」についての過去記事はこちらをご覧ください。


 前半  農地転用許可申請は行政書士、地目変更や所有権移転登記は司法書士

ー 今日は司法書士の業務全般についてお話をいただけるということですね

志賀 そもそも司法書士はどういうことをやるんだ?というところをお話できればと思います。

最初にご紹介いただいたように大きな仕事としては登記業務ですね。不動産に関する登記、あとは商業法人(会社)の登記、そのほかにもたくさんありますが、大きな業務としては登記業務になると思います。

ー AIに聞いてきたら「知っている人は知っているけど、知らない人は全然知らない」と

志賀 そうですね、ものすごく実感をしています(笑)なので今日は具体的な例でお話をしてイメージを掴んでいただければと思います。

考えてきた例ですが、お父さんが畑を持っていて、息子さんがその畑を譲り受けて、そこに自分の家を建てたいというケースを考えてみたいと思います。

農地に関しては勝手に名義を変えたり、潰して何かを建てたりしてはいけないことになっているので、まず農地法の許可を取らなくてはいけません。

そこで農業委員会(または県)に、今回父からこの土地を譲り受けて、ここにこういう家を建てたいんです、という図面などを付けて宮城県の許可をもらう・・・その許可をもらって手続きを進めるというのが原則になります。

仙台の市街地にある畑なら(許可制ではなく)届けを出すだけで済むケースもあるなど、市町村によってバラつきはありますが、原則はそのようになります。

ー 許可が下りない場合もあるのですか?

志賀 農地以外にはしてはいけない土地もありますし、あまりにも計画がずさんだとかいうことがあれば駄目でしょうけれども基本的にはきちんと手続きをすれば許可がもらえると思います。

その許可を得るためにお願いするのは司法書士ではなく行政書士なんです。

で、許可が下りて、登記名義を変えて所有者をお父さんから息子さんに変えます。そのときに不動産登記申請が必要になってくるので、それをするのが司法書士の仕事になります。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは05:55前後からです。)

※音源はAppleSpotifyAmazon等の各Podcastでも配信しています。 w62_Spotify-Podcast w62_Amazon-Podcast
※番組の概要や最新の放送につきましてはトップページをご覧ください。


リクエストコーナー


 後半  会社設立登記のご依頼は税理士さんからのご紹介が多いです

司法書士の志賀昌浩さん(宮城県司法書士会:左)と番組パーソナリティの笹崎久美子

ー 前司法書士は会社設立にも関わりますよね

志賀 そうですね、社長さんになりたいという方はいらっしゃると思うんですが、お店を構えて、商売を始めて、それがうまくいったからといって、それが会社になるわけではありません。

それも不動産登記と同じ管轄の役所である法務局に、こういう会社を作りますっという会社設立の登記申請をして、登記が完成することによって初めて会社が成立した、会社が生まれたということになります。

そこで会社を作る登記の手続きをするのも司法書士の仕事になります。

ー 真っ先に司法書士の方に相談に来る方もいらっしゃるんですか。

志賀 「会社作りたいんですけど」と言っていらっしゃる方はそんなに多くないですが、例えば、お世話になっている税理士さんから「今まで個人で仕事をしていたけれど会社にしたいお客様がいる」ということで、税理士さんからご紹介を受けることはよくあります。

登記が終われば司法書士の仕事は終わってしまいますが、税理士さんの方は逆にそこから色々な税務上の届け出があったりします。

ー その後に「更新をしていないという通知が来た」というご相談もあるそうですが?

志賀 そうですね、 まず一番大きなものが役員ですね。 今の株式会社には取締役として役員が最低1名います。

色々な種類があって、そこに監査役がいたり取締役だけの会社もありますが、どんなに長くても10年に一度は登記を更新しなければいけないんです。人が変わっていなくても、10年で1回任期が終わりました、改めて同じ人が取締役に就任しますという登記書き換えをしなければいけません。 それを怠っているとはいえお叱りを受けるようになるんですね。
(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は12:12から。このお話の続きは16:30前後からです。 )

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本日の志賀さんのリクエスト曲は『ジェレミー』

本日の志賀昌浩さんのリクエスト曲は クレモンティーヌ『ジェレミー』でした。


※当時の空気感を伝えるための引用ですが権利等の都合により視聴できなくなる場合があります。
※YouTube Music の公式音源リンクはこちらです。

志賀さんのコメント 「昔コーヒー飲料のコマーシャルで使われてた曲なんですね。そのコマーシャルを聞いて、(ひと目ぼれならぬ)ひと聞きぼれみたいな形で好きになって、その頃は今と違ってまだCDショップがたくさんあったので、行ったら売っていたので早速買いました。」


パーソナリティから 〜知っている人は知っているけど、知らない人は全然知らない~

前回の記事に書いて今回の番組でも少し触れましたが、義父母が私たち夫婦の住む仙台に転居して近隣の施設に入居したため、それまで住んでいた大分の家を売りに出しました。売り出し価格の半値ではありましたが、1年後にようやく家が売れて、その過程で初めて司法書士さんと現実的に関わることになりました。

といっても不動産会社を通してのやりとりなので、直接会ったことも電話で話したこともなく、書面が行き交うだけのやりとりでしたが、そういった経験がなければ確かにAIが答えてくれたように「知っている人は知っているけど、知らない人は全然知らない」お仕事ということになるのかもしれません。(ゲストの志賀さんも「実感がある」とおっしゃっていました)

志賀さんが例え話で解説してくださったように不動産の登記や会社設立には複数の専門家が関与するケースが多く、連携して作業を進めることもよくあることから、この番組でお話をいただく多くの司法書士の皆さんが「私たちができなくてもできる人を紹介できる」「司法書士はハブのような存在」とおっしゃいます。

確かに義父母の家が売れたときの不動産会社からの請求書にも、不動産会社の手数料だけでなく、司法書士が行った登記変更手数料、土地家屋調査士が担当した地目変更手数料、そして残置物撤去費用として建築事務所からの請求もまとめて計上されていました。

司法書士のお仕事は、不動産取引や会社設立等に関わったことがなければ、なかなか知る機会がないのかもしれませんが、この番組をが少しでも認知度アップにつながればいいな、と思いました。

*記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子(ワッツ・ビジョン


お問い合わせ先

※番組でご紹介した内容/イベントや会社設立・不動産登記・相続・遺言・成年後見などのご相談に関しては宮城県司法書士会ホームページ
022-263-6755までお気軽にお問い合わせください。

AIがまとめた本日の主な放送内容

※放送音源から自動的に作成された内容を掲載しております。正確な情報や詳細に関しましては実際の音源を試聴してご確認ください。

不動産の一例:農地から住宅建築までの登記の流れ

事前許可(農地法)
◦農地の名義変更・転用(宅地化)は許可または届出が必要(市町村により届出で足りる場合あり)。
◦申請先は農業委員会経由で県。計画が不十分、または農業振興地域などは不許可の場合あり。
◦手続の代行は行政書士(本人申請も可)。

権利変動の登記(父→子)
◦許可取得後、所有権移転の不動産登記を司法書士が申請。

資金調達と担保設定
◦住宅ローン利用時は抵当権設定登記を司法書士が実施(金融機関の担保設定)。

建物新築後の初期登記
◦建物表題登記により新規建物の登記記録を作成。
◦併せて地目変更(畑→宅地)を実施。
◦これらは土地家屋調査士の担当(測量・境界確認、建物図面作成含む)。

所有権登記と担保追加
◦建物の所有者(子)の保存登記・必要に応じ建物への抵当権設定を司法書士が申請。

税務対応
◦親からの無償移転は贈与税の対象となり得る。親子間の納税猶予制度あり(いずれも税理士が申告対応)。

企業の例:会社設立および継続的な法務・登記業務

会社成立要件
◦会社は法務局で設立登記が完了して初めて成立。司法書士が設立登記手続を担う。

税理士との連携
◦設立後の税務届出等は税理士が対応。司法書士の主要業務は登記完了で一区切り。

役員任期と更新登記(株式会社)
◦最低取締役1名が必要。任期は最長10年(定款で短縮可)。
◦役員が変わらなくても任期満了ごとに再任の登記が必要。怠ると法務局から指導通知。
◦税理士が月次関与の中で更新時期を助言するケースあり。

相談経路
◦司法書士へ直接相談は多くないが、税理士経由の紹介が一定数。

専門的な協力と役割の境界

資格ごとの担当領域
◦行政書士:農地法許可・届出の申請。
◦司法書士:不動産や商業法人の権利登記、抵当権の設定、会社設立登記など。
◦土地家屋調査士:測量・境界、建物図面、表題登記、地目変更。
◦税理士:贈与税等の申告、会社設立後の税務手続。
◦関係機関:農業委員会・県、金融機関、不動産業者。

協業の実務
◦依頼者の希望に沿って柔軟に専門家を選定・協働。面識のない専門家との連携も一般的。
◦他資格領域は適切に振り分け・紹介対応。

地域ごとの実務や業務内容

地域性による案件傾向
◦都市部(仙台等):成年後見、簡易裁判所事件等の比重が相対的に高い。
◦県南・白石周辺等:相続関連相談が多い傾向。

ゲスト(大河原拠点)の業務比率
◦登記業務が9割超(不動産・商業登記中心)。農地関連は注意点が多く取扱頻度も高い実務領域。

ケースバイケース性
◦共通の手続ルールはあるが、個別事情や地域指定(農業振興地域等)により対応は大きく変動。

登記の注意点

不動産の登記について
◦転用不可区域
◦農業振興地域等は原則転用不可。生活維持に不可欠な事情等で例外許可の可能性はあるがハードルは高い。
◦現況と登記の乖離:荒廃農地など、現況と登記上地目が一致しないケースに注意(前提確認が重要)。

会社の登記(更新)について
◦役員任期更新の失念
◦司法書士は継続関与が少ないため、更新忘れが生じやすい。早期の時期管理と定期確認が有効。

司法書士から皆さんへ

  • 相続登記の義務化が進行中。
  • 今年4月から住所変更時の登記も義務化予定。

相談先の目安
◦登記・抵当権など権利関係:司法書士。
◦農地法手続:行政書士。
◦測量・表題登記・地目変更:土地家屋調査士。
◦税務申告:税理士。
司法書士は他資格領域であれば適切に振り分け・紹介可能。相談窓口として気軽に活用を推奨。