【2026.3月】相続と住所変更登記の義務化について(大山貴史会員)

エフエムたいはく『あっ!司法書士に聞いてみよう!』は宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時から仙台市のコミュニティFM局で放送している30分のラジオトーク番組です。(78.9MHz)

このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトークの一部(要約)と概要をご紹介しています。

2026年月3月26日㈭は、宮城県司法書士会の 大山貴史(おおやま たかし)さんに相続と住所変更登記の義務化についてお話をしていただきました。

※これまでの「相続と登記」についての過去記事はこちらをご覧ください。


 前半  相続の義務化は2年前に。住所変更登記の義務化は来月から!

ー 今日は相続と住所変更登記に関する義務化のお話ですね

大山 はい、相続登記の義務化については、固定資産税のお知らせと一緒に届いて、ご存じの方も多いと思いますが、制度が始まったのが令和6年4月1日です。

それ以前に相続が発生している方については、その日から3年以内に相続登記をしなければいけません。そして来年(令和9年/2027年)の3月には(その猶予期間が)終わりますので来年の4月になると義務を果たせなかったということになってしまいます。

ー この1年で頑張らないといけませんね

大山 そうですね、お困りの場合は司法書士にご相談いただければと思います。

ー 相続登記の義務化で司法書士の皆さんは忙しくなったと聞きますが

大山 ご相談はやはり多いです。相続が発生してすぐにご相談いただく方も多いんですけれど、固定資産税の通知に同封されているお知らせを見て、昔に発生した相続に関するお問い合わせも多いです。

相続と言いましても、相続人の方が少ない場合とか、ものすごく多い場合とか色々ケースがございまして、登記申請についてもやはり(相続人の)数が多くなると手続きが複雑化しやすいところがあるので、そういった場合は司法書士にご依頼いただければいいのかな、と思います。

ー ありがとうございます。今日は住所変更登記のお話もあるとか

大山 はい、住所変更登記の義務化も4月1日から(まさに来月ですね)始まることになります。こちらは不動産登記簿に記載されている所有者の住所が変わった場合は住所の変更も必須になります。(婚姻改姓等で氏名が変わった場合も同様)

今までは義務ではなかったんですけれども、不動産の所有者が不明となってしまう事例が大変多く、特に相続が絡んだりするとどんどんわからなくなってしまうということで、住所変更(氏名変更も)発生したら、変更の登記申請をしましょうということで義務化になりました。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは05:05前後からです。)

※音源はAppleSpotifyAmazon等の各Podcastでも配信しています。 w62_Spotify-Podcast w62_Amazon-Podcast
※番組の概要や最新の放送につきましてはトップページをご覧ください。


リクエストコーナー


 後半  昭和40年代から所有者の住所が変更されていなかった事例

ー 相続登記の義務化でなにか思い出に残るエピソードはありますか?

大山 はい、直接、相続登記に関わるお話ではないんですけれども、相続対策のようなことでご依頼いただいた案件がありまして、少し遠方の新潟の方なんで。それは不動産について生前贈与のご依頼でした。

その方は今は仙台にお住まいなのですが、それまで結構いろんなところを転々とされている方で、ご相談いただいた新潟の不動産は昭和40年代から所有者の住所が変更されていませんでした。(正直、それを拝見したときには(あぁ・・・)と・・・)

一応手順といたしましては、過去にさかのぼれる住民票などをたどっていって、登記簿上の住所と源剤の住所を繋いでいくのがセオリーなんです。

それに従いまして1個ずつさかのぼって取っていきます。司法書士の場合は(個人でもできますが)各地の自治体に住民票とか、戸籍の謄本だとか、あとは戸籍の附表と言いまして、これに住所の履歴が載っていたりするんですけれども、そちらの請求が郵送でできるので、それで1件ずつ確認しながら請求していくという作業です。

住所変更の登記自体は昔の住所から現在のものに一気に変更できるので、基本的に申請は1件でよいのですが、その間のものを証明しないといけません。その作業の過程でやはりたどれなくなってしまったんです。

ー 公的な記録でもそういうことがあるのですか?

大山 データがデジタル化されたときかとは思うんですが、保存期間がとても短く設定された期間があり、廃棄されてしまったものに関してはもう追えなくなってしまったという事例が結構あるので、現在は保存期間がだいぶ伸びたようです。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は12:45から。このお話の続きは18:30前後からです。 )

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本日の大山さんのリクエスト曲は『めくれたオレンジ』

本日の大山貴史さんのリクエスト曲は 東京スカパラダイスオーケストラ『めくれたオレンジ』でした。


大山さんのコメント 「私は(この曲で)東京スカパラダイスオーケストラとコラボで歌っていらっしゃるオリジナルラブの田島貴男さんが好きで、そういったところからリクエストをさせていただきました。」


パーソナリティから 〜登記簿の住所が古いと現住所までの連続性を証明できないことも~

その後、自分でも調べてみると、今回のお話の後半にあった「住所がたどれなくなる」という問題は、不動産登記の現場では決して珍しいことではないようです。

不動産の住所変更登記では、登記簿に記載された過去の住所から現在の住所までのつながりを、公的な書類で連続的に証明する必要があるそうですが、住民票の除票(住民票から削除された後も残されている記録)や戸籍の附票(戸籍に紐づいて記録されている住所の履歴)には保存期間があり、特に昭和から平成初期にかけての記録は、すでに廃棄されているケースも少なくないようです。

その結果、引っ越しの履歴の一部が証明できず、「同一人物であること」が書面上つながらなくなってしまうとのこと。

大山さんのお話によれば、本来の証明書類がそろわない場合でも、事情を記した上申書を作成し、現在の住所を示す資料や関連する書類を組み合わせて提出することで、登記官に合理的に同一人物であると認めてもらい、手続きを進められる可能性があります。

また、昔の権利証などが残っていれば、本人性を裏付ける有力な資料として役立つこともあるとのことでした。ただし、これはあくまで例外的な対応であり、大山さんの場合は新潟の法務局と何度か電話でやり取りを行い、そのうえで受理してもらったそうです。

現在は制度の見直しにより保存期間も大きく延びていますが(5年→150年)、過去に失われた記録は取り戻せないので、こうした負担やリスクを避けるためにも、住所変更や相続が発生したタイミングで適切に登記を行っておくことの重要性を、改めて感じさせられました。

*記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子(ワッツ・ビジョン


お問い合わせ先

※番組でご紹介した内容/イベントや会社設立・不動産登記・相続・遺言・成年後見などのご相談に関しては宮城県司法書士会ホームページ
022-263-6755までお気軽にお問い合わせください。

AIがまとめた本日の主な放送内容

※放送音源から自動的に作成された内容を掲載しております。正確な情報や詳細に関しましては実際の音源を試聴してご確認ください。

相続登記の義務化について

制度・適用範囲
◦2024年4月1日開始。
◦制度開始日前に発生した相続は、開始日から3年以内に申請。
◦開始日以降に発生した相続は、被相続人の死亡から3年以内に申請。

現状・反響
◦固定資産税通知の同封案内を契機とした相談が増加。
◦相続直後の早期相談に加え、過去相続案件の問合せも多数。
◦インターネットやAIを用いて自力申請が可能であるも、複雑案件は専門家対応が推奨。

罰則
◦不履行は10万円以下の過料(猶予期間中につき過料適用事例は未確認)。

実務上の留意点
◦相続人が多い場合は書類・利害調整が複雑化しやすく、専門的支援の有用性が高い。

住所変更登記の義務化について

制度・開始時期
◦4月1日から義務化(放送時点で「来月開始」)。

義務内容・期限
◦登記簿上の所有者住所に変更が生じたら、変更日から2年以内に住所変更登記を申請。

罰則
◦不履行は5万円以下の過料。

社会的背景・目的
◦所有者不明土地が公共事業の用地取得や民間取引の障害に。
◦空き家の管理不全や治安悪化リスクへの対処として、所有者情報の最新化を促進。

実務上の現状
◦義務化前から、売買手続の前提として住所変更登記は必須(登記簿住所と現住所の不一致は取引に支障)。
◦司法書士実務では住所一致確認を厳密に実施。

所有者検索用情報の登録制度

概要
◦昨年度開始。新たに不動産を取得する所有者に対し、氏名・生年月日・メールアドレス(任意)の登録を求める。

期待される機能
◦メールアドレス登録により、法務局が把握した住所変更の通知や自動反映の運用を予定(詳細運用は未確定、今後開始)。
◦メール未登録の場合は郵送通知等の可能性(推測段階)。

注意点
◦重要通知が迷惑メールに振り分けられないよう受信設定を確認。
◦法務局のパンフレットやウェブ情報で最新の運用を確認。

事例共有と実務上の課題

事例概要(新潟の不動産に関する生前贈与)
◦依頼者は仙台在住。登記簿上住所が昭和40年代のままで、転居歴多数により履歴の連続性証明が困難。

標準対応
◦戸籍謄本・戸籍の附票・住民票等を各自治体に郵送請求し、旧住所から現住所までの連続性を立証。

発生した課題
◦データ化過渡期の保存期間設定により一部記録が廃棄され、履歴追跡が途絶するケースが発生。
◦現在は保存期間が大幅延長(100年以上の保存見込み)も、過去の欠落は残存。

解決策
◦権利証等の強力な本人確認書類があれば立証に有効。
◦記録欠落時は上申書と補強資料を整え、法務局と協議の上で受理へ。

教訓
◦相続や住所変更の放置は証拠収集・調整コストの増大を招く。発生の都度、速やかな登記が最適。

相談窓口と周知

相談体制
◦宮城県司法書士会で近隣司法書士の紹介制度あり。面談相談はオンライン予約に対応。

相談推奨の基準
◦単純案件は自力申請も選択肢だが、相続人多数・記録欠落・遠隔地資産などは専門家相談を推奨。

情報源
◦法務局のパンフレット、公式ウェブサイト等で制度・運用の最新情報を確認可能。