【2024.3月】相続登記の義務化とそれにまつわる新しい制度について(草野哲也会員)

『あっ!司法書士に聞いてみよう!』は宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時からエフエムたいはく(78.9MHz/仙台市)で放送している30分のラジオトーク番組です。

このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトーク(一部)を要約してご紹介しています。

2024年月3月28日㈭は、宮城県司法書士会で副会長を務める草野哲也(くさの てつや)さんが、『相続登記の義務化とそれにまつわる新しい制度』についてお話をしてくださいました。

※これまでの「相続と登記」についてはこちらをご覧ください。


 前半のお話  長期間、相続登記されていない土地を合わせると九州と同じ面積

ー いつもFacebookではありがとうございます。本日のテーマは?

草野 相続登記の義務化と新しい制度についてお話をさせていただければと思います。

ー 義務化だけでなく、その周辺の法律も変わるのですか?

草野 そうですね。今まで相続登記はやりたい人がやるという立場だったものが(この4月からは)義務となります。

ただ、「大変だ、大変だ」ということになってもいけないので、国としては、その相続登記をしやすくするための方策を考えているようなんですね。

そういった意味で色々な改正がありましたので、今日はその情報をお伝えできれば、と思って参りました。

ー それではまず一番変わるところからお願いします

草野 まずは義務化の話ですよね。それはこの番組でも何回かご案内をしてきたところだと思いますけれど、この4月1日から相続登記を申請することが義務になるんですよね。

今までは権利を守るために、やりたい人がやるという立場でしたので、価値が高い不動産だと、皆さん、率先して自分の権利を守るために登記をするんですけれども、土地にもいろいろありまして、山林だとか、あまり使われていないような田んぼだとか畑だとか、大事なことに変わりはないのですが、普段住んでいないものですから、手間暇かけて相続登記をやっていないということがけっこうあったんですね。

ある統計によると、長い間相続登記をしていない土地の面積を合わせると、九州の面積と同じぐらいになるそうです。

ー 九州と同じなんですか!

草野 はい。それと東日本大震災のことを我々は忘れることができません。

そのあと高台移転を進めようとして土地を買い上げようとしたところ、相続登記が終わっていなくて、買い上げがなかなか進まなかったということもありました。

ー (今となっては)誰のものかわからないのですね

草野 ええ、そうですね。昔のなんとか佐衛門さんみたいな明治時代の名前(の登記)が本当にたくさんあったんですね。

それで相続登記をしていただかないと、次に何かあったときに、災害の復興にも大きな差支えがあるということで、こういった改正の流れになってきたんだと思います。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは04:15前後からです。)

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リクエストコーナー


 後半のお話  義務化に伴う過料のお話、相続人申告登記制度のお話

司法書士の草野哲也さん(左)とパーソナリティの笹崎久美子(右)

ー (前半にお聞きした広域交付制度以外に)新しい制度はほかにもあるんでしょうか?

草野 そうですね、先ほど相続登記の義務化というお話をしたんですが、実は「違反すると10万円以下の過料に処する」という罰則も付いているんですよね。

ー 怖いですよね

草野 怖いですね。

だけども、いろんな事情があってすぐには相続登記ができないこともあるわけですね。

ー 皆さんのお話を伺っていると、一筋縄ではいかないことも多いのかな?と

草野 原則として3年以内に相続登記をしていただくことになるんですけれども、それが難しいときに、まずは「自分が相続人のうちの一人ですよ」ということを申し出てもらうような制度が今度できるんです。

ー それは相続人の誰がやってもいいのですか?

草野 誰でもできるし、自分の分とほかの相続人の分を含めても申出をすることができます。

 

ー 人の分もまとめて誰かが代表して申請できる?

草野 そうですね。そのときは、本来の所有権の移転登記の正式な相続登記とはまた別で、「私が相続人のうちの一人ですよ」ということで、今の住所と名前を登記簿に載せる手続きなので、比較的簡単な審査で、添付書類も必要最低限の資料を付ければ相続人申告登記というのはできることになっています。

ー 相続人申告登記という名前の制度になるんですね

草野 はい。それをすれば「3年以内にしないと10万円以下の過料」という罰則は適用にならないということです。

そこで気を付けなればいけないのが、相続人申告登記をしたから、それですべて大丈夫なの感?という話なんです。

実は”過料が課されることはない”ということが確定するだけで、次にその土地を売ろうとしたときに、正式な所有権の移転登記が終わっていないと売るにも売れないんですよね。

ー つまり正式なものではないないわけけですね

草野 正式という言葉が正しいかどうかはわかりませんが、本来の所有権移転登記とはまったく別の制度だということを知っておいていただければ、と思います。 (以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は14:56から。このお話の続きは17:35前後からです。 )

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本日の草野哲也さんのリクエスト曲

本日の草野哲也さんのリクエスト曲は YOASOBI (ヨアソビ)『群青』でした。

草野さんのコメント 「僕はいま52歳で今度53歳になるんですけれど、僕らの世代は「若い人の歌だから」ということであまり聴かなかったりしますが、群青は年上の方にこの歌の歌詞をよく読んでもらえたらいいな、と思います。

私も人生半ば過ぎだと思いますけれど、自分の人生を振り返って、この歌詞にあるようなことを思い返してみて、どうだったかな?と思い描いてもらうとうれしいです。そしてこれからの若い人たちも、(この歌の歌詞のように前向きに)自信をもって生きてほしいです。」


パーソナリティから 〜3月1日から戸籍謄本などの広域交付制度も始まりました〜

前相続登記のためには戸籍が必要ですが、これまで戸籍証明書は本籍地の役所でなければ発行できなかったため、今までは実際に遠方に直接出向かないと取得できないケースがあるなど、他の自治体から戸籍を取り寄せるのはとても大変なことでした。

ですが、今年の3月1日からは、よその自治体の窓口でも、どこでも戸籍証明書が取れるようになったそうです。ただしすべて取れるというわけではなく、ご夫婦や直系の方の戸籍に限られるとのことです。(兄弟姉妹は不可)

草野さんからは、「司法書士に相談されるときも、自分で取得可能な範囲の戸籍はすべて揃えてご持参いただくと、だいたいの相続の範囲が見えるので進めやすくなる点と、何より費用の節約にもなる」というお話をうかがいました。

お役所はDXが進んでいないと感じることも多いのですが、少しずつ便利になって、相続人の方達も司法書士の皆さんも、よりスピーディに登記の手続きを進められるようになればいいですね。

(記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子)


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