【2026.5月】おひとりさま/おふたりさまの将来へのそなえについて(松井しおり会員)

エフエムたいはく『あっ!司法書士に聞いてみよう!』は宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時から仙台市のコミュニティFM局で放送している30分のラジオトーク番組です。(78.9MHz)

このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトークの一部(要約)と概要をご紹介しています。

2026年月5月23日(木)は、宮城県司法書士会の 松井しおりさん に「おひとりさま/おふたりさまの将来へのそなえについて」というテーマでお話を伺いました。

※遺言についての過去の記事はこちらをご覧ください。
※相続と登記についての過去の記事はこちらをご覧ください。


 前半  お子さんがいないご夫婦の場合は亡くなった方の兄弟姉妹も相続人

ー 今日は「おひとりさま/おふたりさまの将来へのそなえについて」というテーマですね。司法書士がお手伝いできることからご紹介ください

松井 わかりました。今回はお子さんがいない場合を想定しています。お子さんがいれば(亡くなった場合も)お子さんが相続人になりますし、手続き関係をしたり財産を受け継いだりできますが、お子さんがいない場合は相続関係が複雑になってしまうこともあり「備えが必要と聞いたのですが・・・」というご相談をいただくことも多いので、そのあたりをお話させていただこうと思います。

例えば、お子さんがいらっしゃらなくても、結婚されているので妻が相続人として全財産を受け継ぐと思われがちですが、夫に兄弟がいてその兄弟はもうすでに亡くなっているときは、甥っ子や姪っ子も相続人になります。

そんなことが亡くなってしまってからわかったりすると、甥御さんや姪御さんと協力して手続きを進めていかなくてはなりません。疎遠であったりあまり交流がない場合でもその方達と遺産分割協議をしていかなければいけないという事態になってしまったり。そんなとき「妻にすべてを相続させる」という遺言を残しておけばそういうことは防げます。

あるいはおひとりさまの場合は相続人がいなかったり、いらっしゃっても先ほどのように疎遠なご兄弟だったり交流のない甥御さん姪御さんしかいないようなときに、専門家に死後事務委任みたいな形でお願いするなど、そういう部分でお手伝いできることがあります。

ー 実際にご相談は多いのですか?

松井 私たちは無料相談会や女性のための相談会などをやっているんですけれども、そのときに「何か備えたほうがいいと思うんだけれども、どうしたらいいかわからなくて・・・」みたいな形でご相談をいただくことがあります。

ただ、そこで、こういう手段があります、こういう手段があります、というふうにお話をして「じゃ、こうします」という方もいれば、ちょっとなにかいろいろあるのか余計悩んでしまう方もいらしゃって、悩ませちゃったかな、と思うこともあります。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは03:30前後からです。

※音源はAppleSpotifyAmazon等の各Podcastでも配信しています。 w62_Spotify-Podcast w62_Amazon-Podcast
※番組の概要や最新の放送につきましてはトップページをご覧ください。


リクエストコーナー


 後半  20年後は誰にもわからない。業者選びは慎重に

司法書士の松井しおりさん(左)とパーソナリティの笹崎久美子(右)

ー 前半のお話をまとめますと、将来の備えとして遺言が大事ということですが、お若い方だと亡くなるというのも先の話ですよね。

松井 そうなんですよね。なかなかちょっと具体的に想像が難しいですよね。

ー そして周りに迷惑をかけないと思い過ぎないことも1つのポイントと伺いました

松井 そうですね。自分の希望を一番に考えてほしいです。夜な夜なエンディングノートを書きながら、迷惑をかけないように、迷惑をかけないように、と思っているとだんだん暗くなってきちゃうと思うので。

ー あと、やっぱり情報が最近多くないですか? 

松井 本当にそうなんですよ。今は高齢者の方が多いですし、パートナーと死別されていたり、元々シングルだったりしてすごく不安に感じている方も多いんじゃないかと思うので、それをビジネスチャンスととらえる傾向もあって、かなり様々な終活情報があふれています。

ー 無料セミナーとかもたくさんありますよね

松井 たくさんありますよね。保険会社であったり民間会社とか、信託銀行なんかでもいろいろやっているようです。まあ、何のためにセミナーをやっているかと言えば、やっぱりお客さんを獲得するためなので。

ですがサービスの対価としてお金を払うとか契約をすることは、自分でちゃんと考えて選ぶことができるのであれば、それは悪いことでは全くないと思います。

ただ亡くなったあとの死後事務委任契約であるとか遺産の整理であるとか、そういうことをお願いするのって結局その・・・いつ自分が死ぬのかということは誰にもわからない。

だからそればもう本当に数年先かもしれないし、もしかしたら20年先かもしれなくて、では20年後にその会社が本当にちゃんとあって、自分が契約した内容をちゃんとやってくれるのかというと、それを確かめる人がいないわけなので、そこのところは慎重に考えたほうがいいのかな、と思います。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は11:40から。このお話の続きは15:50前後からです。

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本日の松井さんのリクエスト曲は『さよーならまたいつか』

本日の松井しおりさんのリクエスト曲は 米津玄師 の『さよーならまたいつか』でした。コメントを伺って動画は『虎と翼』のメンバーが出演しているこちらを選びました。

松井さんのコメント 「ちょっと前のNHKの朝ドラ(『虎に翼』)の主題歌だったので皆さんも耳にされたことがある方もいらっしゃるかなと思うんですけれども、(弁護士を目指した主人公と司法書士は)修行仲間ということもあって選曲しました。 」


パーソナリティから 〜迷惑をかけてもかけられてもお互い様と思えたらいいですよね~

今回、司法書士の松井さんのお話を伺って驚いたのは、子どものいない夫婦の場合、どちらかが亡くなると、親がすでに他界していれば、亡くなった方の兄弟姉妹も相続人になるということでした。夫婦で築いた財産は当然残された配偶者が相続するものだと思い込んでいたので、これは知っておいたほうがいいと思いました

そして、それ以上に心に残ったのが、「人に迷惑をかけないことを考え過ぎなくてもいい」というお話です。もちろん、できるだけ人に迷惑をかけないようにすることは大切ですが、誰にも迷惑をかけずに生きていくことはできません。自分が誰かの手を煩わせるときもあれば、反対に自分が誰かのお世話をすることもあります。

そんなときに「お互いさま」と自然に思えるような、もう少し寛容な社会であっったらいいですよね。「迷惑をかけてはいけない」とお互いが窮屈になるよりも、迷惑をかけたり、かけられたりしながら支え合って生きていく。本当はそれが理想なのかな、と思いました。

もちろん、できる準備はしておく。でも、残された人に多少の手間をかけることまで申し訳なく思い過ぎない。「お互いさま」と思えるくらいのほうが、人生の終わりを必要以上に不安にせずに済む気がします。「迷惑をかけないための終活」ではなく、「周りが困り過ぎない程度に準備しておく」。そんな考え方があってもいいのではないでしょうか。

*記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子(ワッツ・ビジョン


お問い合わせ先

※番組でご紹介した内容/イベントや会社設立・不動産登記・相続・遺言・成年後見などのご相談に関しては宮城県司法書士会ホームページ
022-263-6755までお気軽にお問い合わせください。

AIがまとめた本日の主な放送内容

※放送音源から自動的に作成された内容を掲載しております。正確な情報や詳細に関しましては実際の音源を試聴してご確認ください。

相続・遺言に関する主な論点

子どものいないケースで相続が複雑になる理由
子どもがいない場合、配偶者だけでなく兄弟姉妹(すでに死亡していれば甥・姪)も相続人になり得る。
疎遠な甥・姪と遺産分割協議が必要になる事態が生じることがある。
遺言(例:「妻にすべて」)を作成しておくことでこうした事態を防げると説明された。

おひとり様のケース
相続人がいない、または疎遠な兄弟・甥姪しかいない場合、専門家への死後事務委任という選択肢がある。
若い世代は現在の資産状況や相続人の変化(親が健在かどうかなど)が不確定なため、「まだ先でいい」と判断しがちであると指摘された。

事実婚・同性パートナーのリスク
戸籍上の婚姻がない場合、パートナーは法定相続人にならない。
同性パートナーや異性の事実婚でも、遺言等の対策がなければパートナーが住居を失う可能性があるとして、具体的な対策の重要性が強調された。

相談・情報収集における注意点

情報過多と焦りへの警戒
終活関連の無料セミナーや民間業者(保険会社・信託銀行等)が増加しており、セミナーの後半で自社サービスのPRが行われるケースが多いと指摘された。
民間業者が一概に悪いわけではないが、死後事務委任等を契約する場合、数年後・20年後にその業者が存続し契約内容を履行できるか確認する手段がないことがリスクとして挙げられた。
市町村など公的機関に近い取り組みや、監督体制のある業者を選ぶことが望ましいとされた。
法規制は今後整備される見込みであり、焦って契約しないことが重要と述べられた。

司法書士側のルールと課題
司法書士が死後事務委任を受ける際、残余財産を受け取ることは原則禁止とされている。
個人の司法書士が同い年程度の依頼者から長期の委任を受けることへの現実的な困難(履行できなくなるリスク)も率直に言及された。
個人の司法書士同士が連携する体制があれば、より安心して委任・受任できるとの考えが示された(現時点では提案・課題として言及)。

相談の進め方
「迷惑をかけないように」と考えすぎると自分の希望を後回しにしがちになり、かえって周囲への不満も生じやすいと指摘された。自分の希望を優先して考えることが勧められた。
パートナーや家族と一緒に、または第三者(司法書士等)の言葉をきっかけにして話し合いを始めることが有効とされた。
「今亡くなったら相続人は誰か」「遺言を作ったら銀行口座はどう解約するか」など、具体的な1つひとつの事柄に落とし込んで考えると整理しやすいと説明された。
独身・子どもなしであることを恥じる必要はなく、価値観の押し付けはしないと松井氏が明言した。