【2024.4月】4月1日から相続登記が義務化〜遺言の種類、相続の種類について〜(伊東玲子会員)

『あっ!司法書士に聞いてみよう!』は宮城県司法書士会が毎月第4木曜日の14時からエフエムたいはく(78.9MHz/仙台市)で放送している30分のラジオトーク番組です。

このブログでは番組で放送された音源を掲載し、前半と後半の出だしのトーク(一部)を要約してご紹介しています。

2024年月4月25日㈭は、宮城県司法書士会の常任理事で企画広報部 副部長を務める伊東玲子(いとう れいこ)さんが、「相続の種類や遺言の種類」についてお話をしてくださいました。

※これまでの「相続と登記」についての記事はこちらをご覧ください。
※これまでの「遺言」についての記事はこちらをご覧ください。


 前半のお話  「法定相続」による登記と、「遺産分割協議」による登記

ー 本日のテーマをお願いします

伊東 今はなんと言いましても4月1日から相続登記の義務化が開始されましたので、今日は相続登記の種類ですとか、遺言の種類などについてお話をさせていただければと思います。

ー 相続登記には種類があるのですか?

伊東 種類と言いますか、相続登記は相続登記なんですけれども、大きく2つに分けまして法定相続による登記と、あとは遺産分割協議による登記があるんですね。

ー 法定相続というのは?

伊東 法定相続は、法律によって相続する持ち分が決められていますので、それに基づいて行う登記を言います。

 

ー 中学の公民で習った「奥さんが2分の1」のような?

伊東 はい、そうです、そうです、おっしゃるとおりです。

 

ー もうひとつの遺産分割協議というのはイレギュラーな相続ということですか?

伊東 イレギュラーではないです。どちらかと言えばこちらのほうが実務では多いのではないかと思われるのですが、法定相続というのは法律で持ち分が決められていますので、話し合いも何も要らないでできる登記です。

一方、遺産分割協議というのは相続人が全員で話し合いをすれば、どのようにでも決められるということになっています。

例えば、お父さん、お母さん、子供が3人の家族がいて、お父さんが亡くなった場合の話をしますと、相続人はお母さんと子供3人です。

法定相続の場合はお母さんが6分の3、残りの6分の3を子供3人で分けるので、子供は6分の1ずつです。これが法定相続です。

けれども、皆さんで話し合いをすれば、お母さんだけが全部相続をしてもいいし、4人で等しく4分の1ずつでもいいです。あるいは子供ひとりだけが相続してもいい、つまり合意さえできればどのようにでも決められるということになります。(以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※続きは03:45前後からです。)

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※番組の概要や最新の放送につきましてはトップページをご覧ください。


リクエストコーナー


 後半のお話  公証役場で作成する公正証書遺言について

司法書士の伊東玲子さん(左)と番組パーソナリティの笹崎久美子

ー 前半に引き続き遺言についてですが、公正証書遺言とは?

伊東 はい、先ほど(前半)は自筆証書遺言についてお話をしましたけれども、もうひとつよく使われる遺言が公正証書遺言というのがございます。こちらは公証役場で公証人と証人2名の立ち合いの元で作成するものになります。

メリットとしては公証人が作成するので、形式不備により無効になる可能性がほとんどないことです。

その場合は公証役場が「原本」「正本」(原本と同じ効力をもつものとして交付される写し)を作りまして「原本」は公証役場が保管しますので、先ほど言いました偽造とか書き換え、紛失の可能性がありません。

あとは先ほど言いました自筆証書遺言での家庭裁判所における検認が不要になります。なので公正証書で遺言を残しておくと、遺言した方がお亡くなりになったときにそれがあればそのまま登記に使えます。

ー 公証役場に遺言の作成をお願いするときは、そこで自分の意思を述べるのですか?

伊東 実務の流れとしては、たとえば私のような司法書士がご相談をいただきますと、相談者の方と内容の打ち合わせをして、事前に公証人の先生にもこういう内容で作りたいですという打合せをしておくんです。

そして当日、遺言される方と証人と(たいてい私も一緒に行くことが多いんですけれど)、一緒に言って「これで大丈夫ですか?」という書面の確認をしていただいて、そしてご本人と証人が署名をします。

ー 司法書士の皆さんはその場に立ち会うことが多いのですか?

伊東 と言いますか、遺言執行者に司法書士がなったりとか、あとは、どうしても証人がいらっしゃらない方の場合は司法書士が証人になったりしますので、そういうときは一緒に公正証書遺言を作りに行くということになります。 (以降のお話は再生プレイヤーでお聴きください ※後半は12:25から。このお話の続きは16:00前後からです。 )

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本日の伊東玲子さんのリクエスト曲

本日の伊東玲子さんのリクエスト曲は チ・チャンウク『The Wind Of Spring』でした。

伊東さんのコメント 「私、韓国ドラマにハマっているんですけれども、その中でも激推しの俳優さんなんです。ミュージカルもやっていらっしゃるので歌も上手で、その俳優さんが日本でデビューしまして、そのセカンドシングルです。日本語も頑張って上手に歌っていらっしゃるので、ぜひ皆さんにも聞いていただければと思ってリクエストをしました。春にぴったりの曲です。」


パーソナリティから 〜それぞれの遺言書のデメリットと自筆証書遺言書保管制度~

遺言は大きく分けると自筆証書遺言と公正証書遺言の2通りがあるそうですが、自筆証書遺言の場合は要件を満たさないと形式不備で無効になってしまうこともあるそうです。

たとえば日付で「〇年吉日」とか「〇年春」などの場合は日付が特定できないので無効になってしまうとのこと。

一方、公正証書遺言の場合は無効になる可能性はありませんが、証人2名が必要で公証人という第三者も介在するため、誰にも知られずに遺言書を作成することはできない点や、専門家に依頼するのでその分、遺産額に応じた既定の料金がかかるなど、番組ではそれぞれのメリット、デメリットをうかがいました。

ですがそれを補う形で、自筆証書遺言に関しては外形(要件・様式を満たしているか)を確認して問題がなければ、法務局で預かってくれる自筆証書遺言書保管制度も2020年7月から開始されたそうです。

遺言についてあまり深く考えたことがありませんでしたが、伊東さんのお話がとても参考になりました。

*記事作成 番組パーソナリティ/笹崎久美子(ワッツ・ビジョン


お問い合わせ先

※番組でご紹介した内容/イベントや会社設立・不動産登記・相続・遺言・成年後見などのご相談に関しては宮城県司法書士会ホームページ
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